デザートローズは、鉱物の種類として扱われています。

別名を砂漠のバラと呼んでいます。

世界中の砂漠から発見されるためバラの花の形をした石のことをデザートローズといいます。

デザートローズの成分は、採れる場所によって違うのですが、主に硫酸カルシウムである石膏を主成分としたものと、硫酸バリウムである重晶石(じゅうしょうせき)を主成分としたものがあります。

本来は、透明なものですが、砂漠の砂が付着して、一体化して結晶しているために、お菓子のように見えます。

花びらのような鉱物は、デザートローズのほかにもいくつかあります。

アルプス山脈などでは、ヘマタイトのバラが見られます。

これはアイアン・ローズすなわち鉄のバラと呼ばれています。

これらのバラ状結晶は、同じメカニズムでできていると考えられていますが、その根本はまだ解き明かされていないそうです。

成分も環境もまったく違う鉱物が、同じようなバラ状の花を咲かせるという現象は、とても不思議です。

デザートローズは水に溶けたミネラルが結晶したものです。

乾燥した砂漠地帯の中でも、かつて水が存在した場所でしか見つかりません。

この石をはじめて目にしたとき、海の中から採れた貝殻のように見えました。

多くのかたは、おそらくきれいな細工物だと思うのではないでしょうか。

しかし、これはまぎれもなく天然が作り出した形です。

なぜ、このような形に結晶するのか？

実はこの謎はまだ解明されていません。

大自然の中には、まだまだいくつものうつくしい謎が残されています。

たとえば、雪の結晶はなぜ六角形なのか。

上りかけの月は、なぜ巨大に見えるのか？

デザートローズの石言葉は、愛と知性です。

どんなに厳しい状況でも、冷静さをを保ち、やさしく相手を思いやる心の余裕を生み出すといわれています。

昼間熱い砂漠地帯に、夜は氷点下の厳しい環境に花開く鉱物にふさわしく、冷静な慈しみを持った石だと感じます。

デザートローズは非常にやわらかく、繊細な結晶の石です。

水や風にあてると、溶け崩れてしまいます。

取り扱いには細心の注意が必要な結晶ですが、その繊細さが、とても人気を呼んでいる魅力的な鉱物の１つです。

デザートローズは、日本では砂漠のバラと呼ばれていますが、願いを叶える石とも言われています。

また、悪縁を断ち切る石としてもよく知られています。

甘い言葉と立ち振る舞いで近づいてくる、悪い縁をしっかりと見極めて、寄せ付けないように守ってくれます。

デザートローズを持ち歩くようになってから人間関係が変化した人たちもいます。

また身近にいた嫌な人ら遠のいたと聞いています。

厳しい環境の中に、咲くやさしい繊細なバラの花は、持ち主の心にそっと花開く希望の形だと思います。

自分でも気づかなかった不調の原因を取り除いてくれます。

壊れやすいので、水分、日光、塩のいずれも厳禁です。

特に湿気には十分に気をつけて、保管の際にも場所によっては乾燥剤が必要かもしれません。

産地は、オーストラリア、チュニジア、メキシコなど、各地の砂漠地帯で採掘されますが、手に入れやすいものは、メキシコか、サハラ砂漠のものです。

アフリカ大陸のおよそ３分の１もの面積を占める、世界最大の砂漠地帯、サハラ砂漠では、ボール状のデザートローズが積みあがったものや、１メートルあまりにも成長した巨大なものが発見されています。

色は基本的にその地の砂の色で、黄土色から、赤みを帯びたもの、やさしい白色など、さまざまなものがあります。

本当にいるべき場所や必要としている人に縁をつないでくれるでしょう。